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私がはじめてインドへ行ったときの事です。(1994年)
確かその時は10日ぐらいの旅でしたが、その旅の最終日、私はS聖者
という有名な聖者のアシュラム(修道場)にいました。
もうこれから日本に帰るぎりぎりの時間になり、
S聖者は、私の目の前に立たれ、私に質問をされました。
『あなたは何ですか?』
それを聞いて、私はもちろん返事をしようとしました。頭の中は電光石火、はたまたスーパーコンピューターのごとく機能しはじめました。その時考えた答えは、頭の中に何十、何百とプリントアウトされました。 ・・・私は、姓は服部、名は正です。日本で生まれて、歯科医で、一応医学博士で・・・
今回はじめてインドへ来て・・・
と次から次へといろいろな答えを思いつくのですが、どうしてもそれを口に出して言うことができませんでした。なぜならその答えのどれもが彼の質問の解答にはならない事が自分で分かっていたからです。そうこうしているうちに
S聖者 は立ち去って行ってしまいました。
彼
に声をかけてもらったことは大変うれしかったのですが、私はこの時、彼に何も答えられなかったことがくやしくてくやしくてなりませんでした。そこで彼の質問の答えを見つけるべく、本当に真剣に色々な勉強をしました。
彼の質問した内容は、『自分とは何であるのか、そして人とは何であるのか』という意味です。なんとかこの答えを見つけて
S聖者の所を再び訪れるのに約1年半かかりました。
この時も約11日位の旅だったと思いましたが、やはり最終日になり、突然彼の部屋へ呼んでいただきました。私は宿題の答えを言おうとしたのですが、その事はそれで良いということで、さらに次の宿題を与えられました。2回目の宿題は
『神とは何か?』 そして
『愛とは何か?』 という事でした。
2回目の宿題は約9ヶ月位かかったと思いましたが、またそれを持ってインドに行きました。そしてまた、その時
S聖者 に言われたことは、『その事を実行しなさい』
ということでした。
こんな具合にインドに行っているうちに、S聖者
以外の偉大な聖者にもご縁ができ、彼らからもいろいろな宿題やら、祝福やら、講義などしてもらい、だんだんとインドへ行く回数は多くなりました。ちなみに1999年は4回
約50日間、2000年もネパールを含めて4回
40日間を越えることになってしまいました。
よく人に、「インドに何をしに行くのですか?」と聞かれますが、その時私は
「修行です」
と答えます。インドに渡って当地でおこなうことももちろん修行ですが、そのために日頃の治療の都合をつけたり、日程の調整をしたりするのもかなり大変な業です。さらには、日常の行動、態度、意識など、私の行い全てが修行なのです。もちろん聖者は私の日頃の行動などインドにおられてもご存知です。
また修行は、自分のためだけにあるわけではありません。その成果を日常の仕事、行動、意識などを通じ、周りの人々や社会のために有形、無形を問わず生かしてこそ価値があるのです。
私にS聖者が問いかけた質問、『自分とは何か』という事が自分で分かり始めてくると色々な事が見えてきます。私の現在の仕事である人を治すことも、患者さんと共に、その患者さんの病気とは何か?病気の本当の原因は何か?ということを理解していただくことから始まるのです。もっとも、たいていの方は多くの症状・悩みなどを持っておられますから、それに関する治療も行いますが。
目に見える症状ばかり気にかけると、病気の本質には至れません。病気の本当の原因に気づけば、病気の存在の理由はなくなるのです。人間の本質はもともと病気になるようにはできていないからです。
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